組体操、「やめる勇気も必要」との声も - 無知と無理が招く事故組体操などの事故を防ぐために東京都が設置した「体育的活動における安全対策検討委員会」。「東京都の組体..........≪続きを読む≫
東京都の組体操事故、小学校では1年で563件 - 安全対策の検討開始東京都はこのほど、「体育的活動における安全対策検討委員会」を設置。運動会で行われる組体操や騎馬戦競技..........≪続きを読む≫
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最近、組体操で行われる人間ピラミッドを規制、あるいは禁止する自治体が増えてきているそうです。背景には、ピラミッドの高層化とそれに伴う重大な事故が多発しており、保護者や医師、専門家から批判が相次いでいることがあります。
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組体操の規制の動きを受けて、マスコミやネットで大々的に取り上げられ、賛否両論が出ています。これが組体操問題です。詳しくは見ていませんが、おおむね規制賛成派は「ケガのリスクがあるから規制されるべき」、規制反対派は「団結力や忍耐力が育むまれるから必要」「ケガは他のスポーツや部活も同じ、ちょっと叩かれるとすぐ規制するのはおかしい」などの意見に集約されるようです。
一見反対派の意見も一理あるかと思いますが、医師の視点から意見させていただくと、組体操に関して現状では規制はやむを得ないのではないかと思います。医療行為一般に言えることですが、100%安全な治療は世の中にはありませんし、効果も人によって違い、当然変化がなかったり、逆効果になることもあり得ます。従って、医療行為をした場合の患者さんの得られる利益とリスクを天秤にかけて利益の方が充分大きい場合に限り、リスクと何もしなかった場合の自然経過を説明したうえで、治療の選択肢を提示して、どの治療をするのか、あるいは何もしないかを患者さんに決めてもらうのです。もちろん、リスクを極限にまで減らす努力は常に行っています。これが、現代医療の基本的な考え方です。
では、組体操の場合はどうでしょうか。組体操をすることのリスクを充分に説明された上で、児童・生徒が自由意志によって参加し、充分な安全対策を講じられた環境で人間ピラミッドが行われているでしょうか。少なくとも、部活動や多くのスポーツは自由意志によって参加している方が大半ですし、歴史があって様々な安全対策が行われています。強制参加で、安全対策が不十分なまま、近年高層化しているピラミッドの問題とは一線を画するのではないでしょうか。
また、団結力や忍耐力、我慢などの精神論を持ち出す意見もありますが、人生のホンの一瞬の出来事でしかない人間ピラミッドをすることが、今後の人生においての忍耐や我慢の強化につながるのでしょうか?そもそも、教育の現場で団結力という力を養う必要はありますか?画一的で従順な生徒を量産することで評価される、極めてニッポン的な教育の発想ですよね。ホンの一瞬の出来事で、ましてや強制された組体操でケガをして、その後の人生に影響が出たら元も子もないですよね。
今日はこのくらいにしておきましょう。
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東京都の組体操事故、小学校では1年で563件 - 安全対策の検討開始東京都はこのほど、「体育的活動における安全対策検討委員会」を設置。運動会で行われる組体操や騎馬戦競技..........≪続きを読む≫

最近、組体操で行われる人間ピラミッドを規制、あるいは禁止する自治体が増えてきているそうです。背景には、ピラミッドの高層化とそれに伴う重大な事故が多発しており、保護者や医師、専門家から批判が相次いでいることがあります。

組体操の規制の動きを受けて、マスコミやネットで大々的に取り上げられ、賛否両論が出ています。これが組体操問題です。詳しくは見ていませんが、おおむね規制賛成派は「ケガのリスクがあるから規制されるべき」、規制反対派は「団結力や忍耐力が育むまれるから必要」「ケガは他のスポーツや部活も同じ、ちょっと叩かれるとすぐ規制するのはおかしい」などの意見に集約されるようです。
一見反対派の意見も一理あるかと思いますが、医師の視点から意見させていただくと、組体操に関して現状では規制はやむを得ないのではないかと思います。医療行為一般に言えることですが、100%安全な治療は世の中にはありませんし、効果も人によって違い、当然変化がなかったり、逆効果になることもあり得ます。従って、医療行為をした場合の患者さんの得られる利益とリスクを天秤にかけて利益の方が充分大きい場合に限り、リスクと何もしなかった場合の自然経過を説明したうえで、治療の選択肢を提示して、どの治療をするのか、あるいは何もしないかを患者さんに決めてもらうのです。もちろん、リスクを極限にまで減らす努力は常に行っています。これが、現代医療の基本的な考え方です。
では、組体操の場合はどうでしょうか。組体操をすることのリスクを充分に説明された上で、児童・生徒が自由意志によって参加し、充分な安全対策を講じられた環境で人間ピラミッドが行われているでしょうか。少なくとも、部活動や多くのスポーツは自由意志によって参加している方が大半ですし、歴史があって様々な安全対策が行われています。強制参加で、安全対策が不十分なまま、近年高層化しているピラミッドの問題とは一線を画するのではないでしょうか。
また、団結力や忍耐力、我慢などの精神論を持ち出す意見もありますが、人生のホンの一瞬の出来事でしかない人間ピラミッドをすることが、今後の人生においての忍耐や我慢の強化につながるのでしょうか?そもそも、教育の現場で団結力という力を養う必要はありますか?画一的で従順な生徒を量産することで評価される、極めてニッポン的な教育の発想ですよね。ホンの一瞬の出来事で、ましてや強制された組体操でケガをして、その後の人生に影響が出たら元も子もないですよね。
今日はこのくらいにしておきましょう。


